みちしるべのないみち の みちしるべ

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♪ 野球少年だった長男・二男の、大学附属中学受験を振り返り中 ♪
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2009年05月06日 (08:00)

紙話

サッカー・ワールド・カップで来日した デンマーク代表。
そこにトマソンという名の選手がいた。
この大会で4得点を挙げるなど大活躍をした彼はネットの世界でも話題をさらっていた。
かなり有名な話ですが、他の話も併せて書いてみます。
         

*     *     *     *     *

2002年のワールドカップでデンマークは和歌山県をキャンプ地に選んだ。
他国のキャンプは非公開のケースが多かったが、このチームの練習は公開されていた。
地元のファンに喜んでもらいたい。」監督や選手は口をそろえてそう言った。
練習後は地元サッカー少年たちとミニサッカーを行い、握手会やサイン会も行った。

*     *     *     *     *

余談。

ユーロ2000という大会の対フランス戦
デンマークが攻撃中フランスの選手が負傷したのに気付いたトマソンは、ボールをフィールドの外に出し、救護スタッフがすぐに駆けつけられるようにした。
その行為を見たUEFAの役員や多くの観客は、その騎士のような気高い精神を賞賛しフェアプレー賞を与えた。
デンマークというチームはとても紳士的なチームで、こういったエピソードがたくさん残されている。


*     *     *     *     *


その日もサイン会が行われた。
デンマーク選手たちのサインを求め長蛇の列が出来た。
気軽にサインをする選手たち。トマソンもその中にいた。


その少年の順番がきた。トマソンの前に立った少年はモジモジしていた。

「早くしなさい!」と母親が少年を促した。

「どうしたの?」

通訳を通してトマソンが聞くと、少年はポケットから一枚の紙切れを出しトマソンに渡した。
英語の先生に書いてもらったものだった。


ボクは小さいころに、病気にかかって耳が聞こえません。しゃべることも出来ません。だけどサッカーが大好きです。デンマークのサンド選手とトマソン選手が好きです。頑張ってください。


紙切れにはそう書いてあった。
その場にいたみんな、言葉が出なかった。
ただ一人、トマソンだけはニッコリと微笑んでいた。


君は手話はできますか?


トマソンは手話で語りかけた。
その『言葉』に少年と母親は驚いた。
もう一度、トマソンは手話で訊いた。


手話はわかりますか?


手話というのは万国共通のものではなかった。
日本語には日本語の、英語には英語の手話がある。
それを知らされたトマソンは通訳に言った。


この少年と紙で話がしたいので手伝ってください。


通訳は「わかりました。」と応えた。
さらにトマソンは言った。


並んでいる人たちにも彼と話す時間を私にください、と伝えてください。


順番を待つ人たちからは一言の苦情も聞こえてはこなかった。
そして少年トマソンの紙を使った『会話』が始まった。


サッカーが好きですか?

はい。大好きです。あの聞いてもいいですか?

何でも聞いてください。

どうして手話ができるんですか?ビックリしました。

私には君と同じ試練を持った姉がいます。その姉のために私は手話を覚えました。


そしてトマソン少年に言った。


試練は君にとって辛いことです。でも君と同じようにあなたの家族も、その試練を共有しています。君は一人ぼっちじゃないという事をわかっていますか?


少年は黙ってうなずいた。


わかっているなら、オーケーです。誰にも辛いことはあります。君にも 私にも 君のお母さんにも辛いことはあります。それを乗り越える勇気を持ってください。


このやり取りにその場にいた人たちの目から涙がこぼれた。トマソンは最後に少年にこう言った。


私はこの大会で必ず1点をとります。その姿を見て君がこれからの人生を頑張れるよう祈ります。


この言葉に少年は笑顔を浮かべて言った。


はい!応援しています。頑張ってください。


そして少年は、サインを貰った。


*     *     *     *     *


再び余談。

トマソンは所属するチーム(フェイエノールト)と、特別手当をめぐって長く争ったことがある。
彼はその争いに勝ち多額の特別手当を得た。


ロッテルダムにある小児病院ではインターネット計画を持っていた。
病室にWEBカメラを置き子供たちが遠く離れて暮らす家族と、映像を見ながら話が出来るようにするという計画だった。
その計画を知っていたトマソンは特別手当を手にするとすぐにその病院へ行き、手当てと同額を寄付した。

それによって病院は計画を実現することが出来た。


*     *     *     *     *


1次リーグのデンマークの試合は韓国で行われたが、多くの和歌山県民が応援に駆けつけた。
フランスと同組のA組みながらデンマークは2勝1分け。見事1位通過を決めた。

オルセン監督は


試合会場は韓国だったが、和歌山の応援はわかった。あれが我々の力になった。


と言った。


決勝トーナメント1回戦 場所は新潟スタジアム。
相手はあのベッカムのイングランドだった。

スタンド中がイングランド・ベッカムを応援する中、和歌山県民はデンマークを必死に応援していた。
だが和歌山県民の思いは通じず負けてしまった。

その時から


よく頑張った!」「気持ちよく母国に帰ってもらおう!


という言葉が県民の合言葉になった。


デンマークお疲れさま!会が宿泊先のホテルで行われ多くの県民が駆けつけた。
もちろん選手たちも全員出席した。
その会であの少年を見つけたトマソンは、再び紙を使って話しかけた。


応援してくれたのに負けてゴメンね。

お疲れ様でした。カッコよかったです。約束どおり点をとってくれて嬉しかったです。

ありがとう


トマソンは続けた。


私から君に言える言葉はこれが最後です。よく聞いてください。

はい。

君には試練が与えられています。それは神様が決めたことで、変えることは出来ません。わかりますか?

はい

だけど君にもゴールを決めるチャンスを、必ず神様はくれます。君はそのチャンスを逃さず、ゴールを決めてください。


この言葉に少年は輝く笑顔で


はい。


とこたえた。


最後に2人は仲良く写真におさまった。
とびっきりの笑顔を浮かべた2人の写真が残された。


   *     *     *     *     * 

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